ムーンライッ!

人間とは多面的であり、そのすべてを真に理解することは不可能である。

自分が見るもの全てがイコールこの世のすべてではないように、自身の友達は自身の友達というだけの人間ではない。しかしながら今日、そのことをわかっていない人が多く見受けられる。世界のことは主観で考えなくても、スケールが小さい目の前の個人のこととなると一気に視野が狭くなってしまう。何故か。やはり直接触れられるというのが大きいのだろうか。


まあそんなことはどうでもいいのである。


物語を聞かせよう。

わたしは今夜もかの物語を進められない。彼が死んでしまうのが怖い。幾度となく同じ未来を見て、幾人もの先人が同じ未来を辿った。待ち受けてるものは同じだった。彼の死は、変えられない。

ヘタレで、でも頭は良さそう。少し天然なところがあって、ふわふわしていそうな髪の毛が可愛い。そんな彼は死んでしまう。わたしが物語を進み、来たるべき世界の祝福を目の当たりにしたとき、世界は彼を失う。

前々から気がついてはいた。時たま見る後の物語で、彼の姿は一切見えない。そこにいて然るべき存在なのに、一度もその姿を見せない。先人たちは隠してはいたが、薄々感づいていた。ああ彼は死ぬのだろうな、と。

いなくなる彼を見殺しにして、世界を救うのは、もう少し待っていてほしい。知りたい謎を知らないままにしてまでも、彼を死なせたくない。わたしのわがままも、もう少しで終わる。でも、今だけは。

そうしてわたしは、今夜も彼───ロマニ・アーキマンとの夢を見る。


頭がトチ狂っていた時に書いた文章です。夢はすぐそこ、オタクの桃源郷シブにあるぞ!